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最近の日本の食の自給率を見ると、以下の表のようになる。
カロリーベースで見るか、生産額ベースで見るかによって異なるが、いずれにしても米以外は、かなり他国にその生産を依存していて、国産で賄われてはいない。
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食の自給率が減る一方なら、自分で生産しようという思いが重要。農業は、自分が食べるものを作ることと考え、それで生計を立てると言うことにはこだわらない。このような考え方が、これからは必要ではないか。
農業を職業とする人が減っていくことは、流れから止められない。しかし、使われていない農地が増える一方なら、これまで農業をしてこなかった人たちが農作物を作っていけば解決していく。
そのための暮らし方が「半農半X」。食べるものを自給するための「農」と、生計を立てていくための「X」。この「X」は、いやいやお金を稼ぐための仕事ではなく、本人がやりたいこと、社会的使命という思いから行うことなど。
会社勤めしている方も、自分ができる小さな農を行いながら、会社以外の自分にとっての「天与の才(X)」を世に活かし、社会的問題解決に向けた行動をしていけば、それでも良いのです。もちろん、「X」が生業ならもっと良い。
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「半農半X」の暮らし方の提唱者である「塩見直紀氏」は、以下のように言っている。
兼業農家が自分のミッションを強く意識したら、半農半Xである。
専業農家も農を活かして、自分のエックスがさらに広がったら半農半Xである。
・・・まちづくりに取り組むパワフルな専業農家も多い。
「半農半X」の「農」は、「自給」「家族のための農」「手仕事」「健康的」「持続可能な小さな農」などがキーワード。
「大好きなことを」仕事にし、コミュティビジネスを起したり、社会企業家やNPOとして、食、教育、福祉、まちづくりなど、社会問題にチャレンジしたりしている人が増えている。
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田舎では、農業を行うための農地はあるが、生計を立てるための仕事がないと言われる。ここで考えることが、その自分がくらす地域で「X」をどのようにつくっていくかである。
キーワードとしては、地域資源×自分資源です。
自分が住む地域において、これまで気付かなかった、あるいは目を向けてこなかったことが、地域資源としてあるかもしれない。
できることなら、生活基盤となる衣・食・住・エネルギーの生産に関わることを、そのエックスとして仕事にできると良い。早急に日本における自給率を上げる必要があるのが、食に関すること(食品加工を含む)であり、更にそれよりもエネルギーの生産はもっと急ぐ必要がある。
食の自給率は、カロリーベースでは40%程度で、エネルギーについては、2012年度時点で6%と言われている。つまり100%を国産にしようと思えば、食はあと60%、エネルギーは、何と94%の生産が必要となる。
要はアイディアであり、雇う・雇われるという関係から抜け出し、自分たちで経営をしていくという、新しい働き方の模索を、地域で、市民活動として検討していってはどうかと考える。
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